MADE · ステップ2 · ASSESS
3つのトポロジー。
組織ゴールを選ぶ。
トポロジーとは、マップ上で組織のユニットがどこに位置するかを示す、見分けのつくパターンです。どれも何かに最適化されていて、その代わり別のところで代償を払います。「最良」のものはありません。問うべきは、自分たちの目的と環境に合っているかどうかです。
トポロジー早見
目的への適合
10X ORG より · 原則4
それ自体で「より優れた」組織トポロジーはありません。「唯一の最善策」もなく、あるのは目的に合う組織のあり方だけです。
リーダーは、何に最適化するのかを決めなければなりません。この決定に必要なのは合意ではなく、説明責任です。何に最適化しないかを、自覚して受け入れることでもあります。トレードオフは避けられません。あらゆることを同時に最適化できる組織はないからです。
トポロジーの中から選ぶこと、あるいは目的ごとに意図して組み合わせることが、組織設計の中心となる実践です。これによって、組織が安定して出せる成果の種類が決まります。
問うべきこと
どの組織能力が、私たちの戦略を効果的に支えるのか?
高めたいのは、次のどれでしょう。
| リソース | デリバリー | アダプティブ | |
|---|---|---|---|
| 最大化するもの | リソースの活用、専門化 | アウトプット、予測可能性 | アウトカム、イノベーション |
| 依存関係 | 多い | 中程度 | 少ない |
| 最適な環境 | 需要が安定していて繰り返しがある | 需要が既知で、ロードマップが安定している | 不確実で変化の速い市場 |
- リソース
- 最大化するもの
- リソースの活用、専門化
- 依存関係
- 多い
- 最適な環境
- 需要が安定していて繰り返しがある
- デリバリー
- 最大化するもの
- アウトプット、予測可能性
- 依存関係
- 中程度
- 最適な環境
- 需要が既知で、ロードマップが安定している
- アダプティブ
- 最大化するもの
- アウトカム、イノベーション
- 依存関係
- 少ない
- 最適な環境
- 不確実で変化の速い市場
同じ会社の中でも、部分ごとに違うトポロジーで動いてかまいません。たとえば、既存のサービスはデリバリー、新規事業はアダプティブといった具合です。大切なのは、それぞれの設計がその部分のゴールに合っていることです。
マッピングの例
01 · DIRECTING + DOING
リソース・トポロジー
組織ゴール:需要が安定した環境で、専門スキルの効率を最大にすること。
「機械的システム」— 専門化で精度を高める
動き方
Directingのユニットが仕事を計画し、分割し、割り振ります。職能別のグループにいる専門家が、それぞれ一部分を担当します。仕様、引き継ぎ、調整で各部分をつなぎ、事前の計画と計画の見直しで前に進めます。
ひと目でわかる特徴
- よくある使い方
- PMOによる専門家のリソース管理
- 価値の生み出し方
- 分断されていて、何度もの引き継ぎと調整に頼る
- 依存関係
- 多い。ユニットは、職能のサイロをまたぐ調整に依存する
- グループの構造
- 専門的な役割を持つ、サイロ化した職能別グループ
- エンパワーメント
- 低い。あらかじめ決められたタスクに限られ、自律性はほとんどない
- 個々のメンバー
- 調整役が定めた個別のタスクを、特定のスキルで完了する。オーナーシップはほとんどない
- 戦略的AI
- 繰り返しの作業を自動化し、ワークフローを最適化し、リソース効率を高める
- 例
- 映画プロデューサーが、ある場面のためにダンサーを雇う
典型的な場面:シェアードサービス、給与計算、コンプライアンス、汎用品の製造、長く使われるプラットフォーム。
このトポロジーをつくるフレームワーク: PRINCE2、ITILなど。SAFeもその一つです。理想的にはデリバリー・トポロジーをつくれますが、私たちが調べた導入例の多くはリソース・トポロジーに大きく傾いていました。チーム間の相互依存がなくなるわけではなく、あるがままに管理されているだけだからです。
AIがあると:AIは専門的なタスクを素早く自動化します。マンデートが広がらなければ、狭い専門職は居場所を失いかねません。
マッピングの例
02 · DIRECTING + DELIVERING
デリバリー・トポロジー
組織ゴール:予測可能な仕事が、需要から提供まで滞りなく流れる状態を最大にすること。
「構造化されたネットワーク」— 流れに最適化する
動き方
完結したクロスファンクショナルなチームが、固定された狭い価値の範囲の中で提供します。ディスカバリーは切り離されていて、何をつくるかはDirectingのユニットが決めます。アウトプットは速く効率的で、「フィーチャーファクトリー」と呼ばれることもあります。
ひと目でわかる特徴
- よくある使い方
- 価値が実証済みのものを、変更や学びを最小限にして素早く提供する
- 価値の生み出し方
- 特定のケイパビリティに狭く絞られている
- 依存関係
- 中程度。ユニットは境界をまたいで調整するが、頻度は低い
- グループの構造
- クロスファンクショナルで、製品やサービスの狭い機能に沿っている
- エンパワーメント
- 中程度。小さな所属ユニットの中では権限があるが、ユニット間の整合には依存し、それはDirectingのユニットが管理する
- 個々のメンバー
- チームの担当範囲で、機能やコンポーネントを提供するために連携する
- 戦略的AI
- データを統合し、コラボレーションを改善し、リアルタイムの洞察とフィードバックループでチームのアウトプットをそろえる
- 例
- ファストフードの食堂。オーナーがメニューを決め、料理人が完成した一皿を出す
典型的な場面:需要が既知の成熟した製品、成長期や成熟期のSaaS、マネージドサービス、カスタマーサポート。
このトポロジーをつくるフレームワーク: Team Topologies、マーティ・ケイガンのプロダクト・オペレーティング・モデル(Empowered Product Teams)、本物のチームが形成される場合のSpotifyモデル、チーム単位のスクラム。
AIがあると:AIは実行の仕事を、チームがスキルやマンデートを適応させるより速く吸収していきます。
マッピングの例
03 · DRIVING
アダプティブ・トポロジー
組織ゴール:変動の激しい環境で、学びと再構成のコストを最小にすること。
「生きたエコシステム」— 環境とともに進化する
動き方
Directing、Doing、Deliveringが一つのチーム・オブ・チームズに溶け合います。人とAIエージェントが、広く共有されたマンデートを持って働きます。仕事は同期的に進み、担う人たち自身が調整します。学びは、スキルと仕事の範囲の両方にまたがって進みます。
ひと目でわかる特徴
- よくある使い方
- 結果が不確実なものを素早く届け、探り、変え、発見し、適応する
- 価値の生み出し方
- 柔軟で、全体的で、新しい
- 依存関係
- 少ない。ユニットは自律的に動き、外部のグループにほとんど依存しない
- グループの構造
- 多様なスキルを持ち、探索的なアウトカムと柔軟性のために編成されている
- エンパワーメント
- 高い。ユニット間の調整を含め、プロセス全体を自分たちで担う
- 個々のメンバー
- 境界をこえて協力し、顧客への完全なソリューションを、エンドツーエンドのオーナーシップで届ける
- 戦略的AI
- イノベーションを後押しし、顧客のニーズを予測し、戦略的な意思決定を支える
- 例
- ソリューション空間の全体にまたがって動くユニット(「Uber」)や、一部の領域を担うユニット(「Uber Eats」)
典型的な場面:新規プロダクト開発、イノベーション、プラットフォームの探索、コンサルティング、研究、立ち上がり期のサービス。
このトポロジーをつくるフレームワーク: LeSS、Nexus、FAST、Creating Agile Organizations(CAO)。フレームワークのマッピングの一覧もご覧ください。
AIがあると:先生であり壁打ち相手でもあるAIが、領域を移るコストを下げます。この設計に到達しやすくもなります。
アプローチ
変革を、MADEでシステムとして
ILLUSTRATION · 10X ORG · CC BY-ND · DOWNLOAD ↓組織設計は、戦略と成果のあいだにあります。MADEは、それを適合した状態に保つためのループで、4つの動きの頭文字から名づけられています。 Map, Assess, Design, Elevate。まず今ある設計をスタディし、次に必要な設計に向けてインプルーブします。
スタディ今ある設計
- 01Mapすべてのユニットを、スキルと仕事のマンデートで位置づける
- 02Assess今のトポロジーを見極め、それが合っているかを判断する
インプルーブ必要な設計
- 03Design今の制約にとらわれず、必要な組織を思い描く
- 04Elevateエレベーティング・カタで変化を動かし始める
ELEVATE · MADE のステップ4
エレベーティング・カタ
エレベートとは、マップの上で右上へ意図して動くことです。その動きがカタです。組織の働き方を変える、小さく繰り返せる型。順番に並んだ手順ではなく、メニューです。いちばん切実な制約に合うものを、いくつか選んで始めましょう。
カタは、Jay Galbraith のスターモデル(Star Model™)の5つの要素で分類しています。ひとつの要素を変えれば、ほかの要素も合わせて変える必要があります。
Katalogを見る →カタが豊富なケーススタディ
カタを使った全ケーススタディ →LeSS Transformation in Wartime Ukraine: Building an Adaptive Organization at DIM.RIA
DIM.RIA's 50-person product organization replaced component teams and many manager backlogs with one Product Backlog and three cross-functional feature teams, cutting cycle time by about 80%.
カタ 適用済み 提案
Elevating an EV Scale-up with Org Topologies
A scale-up flipped its 50-person R&D from component teams to three product areas in two days, then hit local-optimization pain and moved toward a single backlog.
カタ 適用済み 提案
アカデミー
Org Topologies™ のアプローチを学ぶ
今後のイベント一覧



